Microsoft の Office 製品には、データを自動的に保存してくれる仕組みも用意されています。これが ”自動保存” という機能になります。
ただしこの ”自動保存” が有効になるためにはいくつか条件があります。つまり基本的にデータが勝手に自動保存されることはないわけです。
そこでよく勘違いされるのが ”自動回復” という機能。 パソコンのツボ本館ではだいぶ前に一度取り上げましたが、今でもちょくちょくアクセスされる記事でもありましたので、今回別館の方で再び取り上げさせていただきました。
【自動回復とは?】
まずはすべての Office製品に搭載されている「自動回復」から確認していきます。
よくこの機能のことを “自動保存” と勘違いされている方もいらっしゃいますが、あくまでも “自動回復” なので、作業中などにトラブルになって、Word や Excel、PowerPoint などのデータを保存できないままに終了されてしまった際、再起動後、作業中だったファイルを復元・表示してくれるのがこの機能になります。

上記の画像は、PowerPoint の例ですが、ファイル>オプション とクリックして、”PowerPoint のオプション” ダイアログを開き、左ペインの “保存” をクリックすると表示されます。Word や Excel などでも同様です。
上記の画像にもありますが、10分毎など設定された時間に応じて自動的に “自動回復用データ” として保存してくれます。ただしこうして自動バックアップされる回復用のデータは増えすぎないようにするため、
- ファイルを手動で保存したとき
- [名前を付けて保存] を使用して、新しい名前を付けてファイルを保存したとき
- ファイルを閉じたとき
- Excelなどのアプリを終了したとき (ファイルを保存したかどうかは関係ありません)
- 現在のブックの自動保存を無効にしたとき
- [次の間隔で回復用データの自動保存を行う] チェック ボックスをオフして、自動バックアップ機能を無効にしたとき
に、ファイルが削除されます。
つまりいつまでも残っているものではありません。
【自動保存とは?】
では、”自動保存” とはどんな機能なのか?


上記の PowerPont のデータにもある 左上の “自動保存” がまさに該当します。Word や Excel にも同様に用意されています。
「自動保存とは」にもありますが、これが利用できるようにするためには….
- Microsoft 365 のサブスクリプションがある
- OneDrive、OneDrive for Business、SharePoint Online といったクラウド上にデータが保存されている
- インターネットに接続されている
といった場合に利用できる機能になります。つまりは、自分のPC内に保存されるわけではありません。
また日本ではよくあるPCにプレインストールでついてくるプレインストール版の Office 製品。永続ライセンス版として販売されている Office Home & Business 2021 などの統合パッケージ版や、Word や Excel などの単体製品では利用できません。
さらにいくつかのケースで自動保存が利用できない場合もあります。以下がその一例になります。
- ファイルが以前の形式になっている (.xls、.ppt、.doc など)。
- ファイルがローカルの OneDrive フォルダーに置かれており、OneDrive の同期が停止している。
- ファイルが以前のバージョンの OneDrive 同期アプリ によって同期されています。
せっかく何時間もかけて作成したデータであっても、自動保存が利用できていないデータについては、やはり豆に保存することが必要になりますのでくれぐれもご注意ください。
<参照>
・自動保存とは
・Microsoft 365 ファイルを回復する
・Word のファイルとドキュメントを復元する
・Excel の自動回復関数の説明
・Office for Mac でファイルを回復する
・Office 製品の自動保存と自動回復用データ