月別アーカイブ: 2022年10月

Word で作成された年賀状を開くと、マクロの警告が表示される

11月になると2023年の年賀状の販売がスタートします。そんな年賀状シーズンの前に、こちらでもご紹介しておくことにしました。

【Word の「はがき作成ウィザード」】

Excel で作成された住所録データをもとに、Word の「はがき作成ウィザード」を使用して年賀状を作成している方も恐らく多いかと思います。

もちろん、宛名面、文面を作成することについては特に問題ないのですが、実はこの作成されたデータを開くと….

上記のような VBAマクロ の警告のメッセージが表示されます。OKで閉じて起動してみると、VBA マクロが利用できなくなるため、一部の機能が利用できなくなってしまいます。

【セキュリティ強化により「VBAマクロ」は既定ではブロックされる】

これは、パソコンのツボ本館でも何度か取り上げましたが、昨今の VBAマクロ を利用したウィルスが多いという事情を配慮して、セキュリティ強化のためにVBAマクロがブロックされるようになったということが要因になります。

Office データの VBA はブロックされるの? されないの? Part 1
Office データの VBA はブロックされるの? されないの? Part 2
Office データの VBA はブロックされるの? されないの? Part 3

なのである意味では、仕様ということになります。

–「はがき作成ウィザード」は使っているけど、VBAマクロなんて使ってない?:

そのようにおっしゃる方も多いと思います。当然ですよね? 自分でVBAマクロを組んで作ったわけでもないので。もちろん、VBAマクロなんてわからないし…..とおっしゃる方も多いことでしょう。
しかしこうしたウィザードや、無料で配布されている様々なテンプレートには、作業を効率よく進めるように、VBAマクロが利用されてたりするわけです。

Word の「はがき作成ウィザード」についてみると、上記のような、VBAマクロが構成されていました。もしここで、VBAマクロが無効になると、3枚目の画像のように本来はあるはずの、「はがき文面印刷」タブがなく、差出人住所の入力などの各コマンドが利用できなくなります。

【対処法】

さてその対処法です。パソコンのツボ本館では、Word for Microsoft 365(Windows 10)および、Word 2013(Windows 8.1)の両方の環境で、その対処法をご紹介いたしました。

Microosft Word で作成された年賀状を開くと「Microsoft Word のセキュリティに関する通知」が表示される
Microosft Word で作成された年賀状を開くと「Microsoft Word のセキュリティに関する通知」が表示される ~ Word 2013 編

具体的な対処法については、上記サイトをご参照ください。

従来通りに、Word で作成された年賀状データを開けるようにするには、レジストリの追加設定が必要になります。

ちょっと年賀状シーズンには早いかもしれませんが、Word で年賀状を作成されているかたは、ご注意ください。

<参照>

Office データの VBA はブロックされるの? されないの? Part 1
Office データの VBA はブロックされるの? されないの? Part 2
Office データの VBA はブロックされるの? されないの? Part 3
Microosft Word で作成された年賀状を開くと「Microsoft Word のセキュリティに関する通知」が表示される
Microosft Word で作成された年賀状を開くと「Microsoft Word のセキュリティに関する通知」が表示される ~ Word 2013 編

えっ? いきなり デスクトップに検索窓がぁ…

Windows 11 に更新可能なPCで、いろいろチェックしたいこともあって、アップグレードしていなかったPCを、一昨日やっと Windows 11 に更新。

もちろん更新は正常に完了し、昨日確認したときまでは何の変りもなく、単にタスクバーがちょっと Windows 10 の時と変わったかな?ぐらいでしか思っていなかったんですが、本日起動してみたら…

いきなりデスクトップの真ん中に、背景画像の前にどっかぁ~んといった感じで検索ボックスが現れました。

個人的にはデスクトップにこんな検索ボックスは必要ないんですが、よくよく見ると Microsoft Edge と出ている。そこで、あぁ~あ、こんな感じ出てて来たりするのか?と。

その正体は、”Edgeバー” でした。

Windows Insider としても別のPCでは、かなり前からすでに Windows 11 を Dev Channel で利用しているので、Edgeバーが登場する以前からなので何気なく出ないようにしていたんですが、普通に更新してみるとこんな感じでいきなり登場するわけですね…

【”Edgeバー” とは?】

もともとは、Microsoft Edge の機能だったもので、その後、Microsoft Edge が起動していなくても検索が利用できるように独立したもの。

本来は、ブラウザを起動すると右サイドにいくつかのアイコンと共に表示されていました。その後、「The new sidebar in Microsoft Edge helps you multitask smarter」にもありますが、Microsoft Edge を起動すると、右サイドに表示されていたツールバーは、上記にもあるように “サイドバー” と名前が変わり、アイコンなども追加できるようになって新しくなりました。

— Edge バーは?

ところで、“Edge バー” がどこへいったか?
Edgeバー” はその後その姿を変えて、現在もありますが、検索ボックスだけの状態で存続しています。それが今回のデスクトップに突然現れた検索ボックスの正体でした。

【Edge バーの起動と停止】

Edge バーを起動するには、Microsoft Edge を起動し、[…]>その他のツール>Edge バーの起動 とクリックして起動します。決して独立したプログラムではないので、Microsoft Edge から起動する必要があります。

起動した後は、[…] > ”閉じる” をクリックすれば終了します。あるいは起動しているとタスクバーにEdgeバーのアイコンがありますので、そちらを右クリックから終了することも可能です。
また、[..]をクリックするおわかりいただけるように “Edgeバーの自動起動” にチェックが入っていると、PC起動時に自動的に起動してくることになります。不要であればチェックを外してあげれば、次回から自動では起動してこなくなります。

<参照>

Microsoft Edge ドキュメント
The new sidebar in Microsoft Edge helps you multitask smarter
Microsoft Edge] サイドバーについて教えてください/富士通
Microsoft Edge のヘルプとラーニング
Microsoft Edge のキーボード ショートカット

Google Map のストリートビューが表示されない

朝からそんなトラブルが発生してました。Google Map をご利用の方は多いかと思います。気軽に使えるし、便利なサービスですよね? 

さてそんな Google Map で朝からストリートビューが表示されないというトラブルが発生していました。

Google Map を開くと、上記にもありますが、画面右下に、拡大縮小ボタンや人型のアイコンがあります。このアイコン “ペグマン” って言うんですね….改めて知った気がします。

Google Map を開いて、このペグマンを地図上にドラッグします。

すると、ストリートビューが可能な道路には上記のように青い線が表示され、ペグマンを置くと小さくサムネイル画像も表示されます。そしてその後、その周りの光景がストリートビューで表示されるわけです。

実はこの “ペグマン” をドラッグすると道路は青くなるものの、”ペグマン” は元の場所にスゥ~っと戻ってしまい、サムネイル画像も、そして当然ながらストリートビューも表示できませんでした。

【トラブルは昼前に解消?】

私が気が付いたのが朝8時台。そしてその後いろいろいじっていて、行きついたのが Google のサポートコミュニティ。Microsoft コミュニティ同様、こういった時の情報収集には欠かせません。

Google の場合もサービスが多いので、コミュニティも入り口はサービスごとにバラバラ。まずは、GoogleSupport のページにアクセス。

そしてサポートコミュニティへ。いっぱいすでに相談が上がってました。つまりは、Google 側の不具合ってことで、これはしばらくかかるんだろうととりあえず放置。

15時ぐらいにふと気が付いて確認してみると、サポートコミュニティのいくつかの回答を見ていると、どうも11時ぐらいには解消していたようです。

こうしたトラブル、どこでもありうることですが、そんな時にはコミュニティという名の掲示板が非常に役に立ちます。

Microsoft や、Adobe、Apple のコミュニティあたりはしょっちゅう覗いていますが、これでまた一つ立ち寄る場所が増えてしまったようです…

ということで、WordやExcel、PowerPoint などがどうもおかしい…そんな時には、Microsoft コミュニティの “Microsoft 365 および Office” コーナーへ。そして、Apple 製品なら、Apple サポートコミュニティへ、さらに Google のサービスであれば、Google のヘルプから各サポートコミュニティへと情報収集の網を広げるとトラブル解決の手助けになりますので是非ご利用になってみてください。

<参照>

Google サポート
ペグマンがいきなり使えなくなった。ドラッグできるがドロップできなくなった/Google Map サポートコミュニティ

Office 365 から Microsoft 365 へ

10月13日 から 14日 にかけて、毎年恒例となっている Microsoft の 大型イベント “Microsoft Ignite” が開催されておりました。

イベント自体は終わりましたが、当日のイベントを残念ながらご覧になれなかった方は、オープニングセッションをはじめ、セッションスケジューラーから890の各セッションの録画データもご覧いただけますので、ぜひご覧になってみてください。

さてこうした大型イベントがあると、このイベントを通じて新たな取り組みや、新たなサービスなどの発表などもあったりします。そういう意味でも非常に注目を浴びているイベントでもあるわけです。

【Office 365 から Microsoft 365へ】

その一つが今回ご紹介する 「Office 365 から Microsoft 365へ」になります。Office 365 と言っていたものが、その後 Microsoft 365 として、法人向けにも、一般ユーザー向けにも提供されておりましたが、これまで同様 Word、Excel、PowerPoint などの各アプリに加えて、OneDrive などのクラウドサービスを加えて、新たなサービスも加わり、アイコンや、外観も一新され、「Microsoft 365アプリ」となります。

Office.com のサイトにも、上記のように案内が出てました。Office.com で利用できるアプリも一般ユーザー向けとはいえ、先日追加された、ClipChampをはじめ、Power Automate、Forms、リストなどなどクラウドベースのサービスもかなり増えてきました。

今回の Ignite の期間中に、Microsoft Designer、Microsoft Create などの新しいサービスも公開され動き出しました。

Office 365 から Microsoft 365 への新たなスタート。「Introducing the new Microsoft 365 app」によれば、2022年11月からロールアウトがスタート。2023年1月には、Windows の Office の各アプリと、Office モバイルアプリの変更がロールアウトするようです。

何か?新しいわくわくしたことが始まる秋…。今後の、Microsoft 365 にさらに期待が高まるばかりですね。

<参照>

Microsoft Ignite
Introducing the new Microsoft 365 app
Microsoft Designer
Microsoft Create
あらゆるコンテンツ制作の出発点 ~新サイト「Microsoft Create」がオープン/窓の杜
「Office.com」、「Office」アプリは「Microsoft 365」アプリへ/窓の杜



サイバーセキュリティ月間

2004年以来、アメリカでは、10月がサイバーセキュリティ月間だそうです。アメリカでは、Cybersecurity & Infrastructure Security Agency(CISA) が中心になって、サイバーセキュリティに関する施策、情報などを発信しています。

さて一方日本は?ということで改めて調べてみると、内閣サイバーセキュリティセンターが中心になって、サイバーセキュリティ月間が設けられておりました。

今年は、2月1日から3月18日までがその期間だったようです。在宅勤務で仕事をされる方が増える中、サイバーセキュリティに関する認識は以前以上に大きな問題になってきています。

Emotet による被害は一時ほどではないものの相変わらず。インターネットを利用していると突然けたたましい警告音とともに画面が表示されるサポート詐欺も相変わらずあちこちで猛威を振るっています。サポート詐欺の場合だと、スマホに表示される例もありました。

そうしたときに慌てないためにも、普段からセキュリティに対する意識はしっかり持っておきたいものです。
たとえば、IPA(情報処理推進機構)では、以下のような啓もうコンテンツを用意しています。

こうしたものを上手に利用して、普段からセキュリティに対する認識をわすれないようにしておきたいですね。

インターネットが、生活の中のインフラとして定着しつつある昨今、日本ではありませんが、もう一度セキュリティについてしっかり見つめなおすいい機会かもしれませんね。

<参照>

Cybersecurity Awareness Month/Cybersecurity & Infrastructure Security Agency(CISA)
2022年サイバーセキュリティ月間
内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)
情報セキュリティ/IPA
映像で知る情報セキュリティ ~映像コンテンツ一覧~/IPA
Emotet とは? 脅威の内容や対策方法を解説/Microsoft

Microsoft Office の更新に伴う他のプログラムへの影響

Microsoft Office については、基本的には自動更新で使用することが推奨されますし、デフォルトでは自動更新が有効になっているものと思われます。

さてこうして、定期的に更新される Microsoft Office 製品ですが、当然ながら、あってはほしくないものの、何事にも不具合はつきもの。
Update が要因で、Microsoft Office の各アプリ自身に不具合が発生することもあります。

当然この場合には、Excel や Word などの各アプリが正しく動作しないのであれば修復やら再インストール、さらにはロールバックやら試すべき対策もいろいろになります。もちろんフィードバックして、更新プログラムを待つというのも一つの方法でしょう。

毎月第二水曜日以降に提供される更新以外にも、C2R形式で提供されている昨今の Microsoft Office 製品の場合には、そうした定期更新を待つことなく必要に応じて順次更新プログラムが提供され、常に最新の状態が維持されています。

【他のアプリへの影響】

さて巷には、こうした Office 製品をベースとする会計ソフトや、顧客情報管理などの様々なアプリが販売されたりしています。ものにもよりますが、直接 Excel と連携しているものもあれば、Access のデーターベースエンジンを使用するものなどさまざま。

Microsoft Officeの更新により、こうしたプログラムに影響が出るケースも時々耳にします。最近の事例だと以下のようなものがあります。

例: 【かんたん!シリーズ】製品を起動する際に「オペレーティングシステムは現在このアプリケーションを実行するように構成されていません。」とエラーが出る/MJSかんたん!シリーズ

こういったアプリ、個人事業主さんをはじめ、一般の方でも個人でお仕事をされている方々であったり家族経営のお店だったり、そうした方々が使用されているケースも多い。

企業などのように専門のシステム担当者がいるようなところであれば、相談する窓口もあるでしょうが、そうじゃない場合には起動できなくなったりすると慌ててしまいますよね? 唯一頼れるのがメーカーのサポートだったりするわけですが、なかなか電話もつながらなかったり、メールでのお問い合わせ先しかないケースもあったり。さらにはそうしたトラブルが、週末に発生した場合などはお休み明けまで何もできない…. そんなことにもなりかねません。

こうした Office の更新に起因するトラブルの場合、多くの場合根本的には Office 側というよりそのアプリを開発している側が、その要因を分析して対応してもらわないと最終的な解決には至りません。

しかしそれを待っていては、いつになったら使えるのか?ということになってしまいます。

【一時的な回避策としてのロールバック】

ということで、問題の切り分けと、一時的な回避策として Office 製品のロールバックを行ってみることをお勧めいたします。

Office 製品の更新が要因の場合には、更新する前のバージョンにロールバック(バージョンダウン)することで、問題が再現されるかどうか?確認してみます。

Office 365(2016)をロールバックする
Release notes for Current Channel

ロールバックに必要なバージョン情報は、「Release notes for Current Channel」で確認できます。日本語版のサイトでもいいんですが、情報の更新が遅いため、新しいバージョンの情報が確認できないことがありますので、バージョン情報については US版のサイトの方が情報としては新しいかと思います。

ロールバックが終わったら、一時的に、Office の自動更新は、オフにして更新されないように設定しておく必要があります。せっかくロールバックしてもそのままではまた自動的に更新されてしまいますのでご注意ください。

今回は Office の更新による他のプログラムへの影響についてご紹介いたしました。

<参照>

現在のチャネルのリリース ノート
Release notes for Current Channel