月別アーカイブ: 2019年10月

同じ Office でもバージョンが異なる

同じ Office 365 Solo を使っているにもかかわらずバージョンが違う。もちろんどちらも最新の状態です。何が違うんでしょう?

同じ Office 365 Solo の Excel のバージョン情報の画面です。(2019/10/27現在)
左が、Ver.1910(ビルド12130.20184)。そして右が、Ver..1909(ビルド12026.20344)となっています。

バージョン情報を拡大してみるとお気づきになった方もいらっしゃるかもしれません。

それぞれが、月次チャンネル(Monthly Channel)で、毎月更新がかかります。ここも一緒です。ですが、バージョン情報に、左は片や、”クイック実行” 版。右は、”Microsoft Store” 版 という違いがあります。
この違いにより機能的にも多少違いが出てきていることは、パソコンのツボ本館でも、こちらの別館でもこれまでに何度か取り上げておりましたが、多くの場合それでもバージョンは一緒でした。

更新がかかるタイミングもほぼ一緒で、バージョンも一緒….だったのは、つい先日のこと。クイック実行版は、現在バージョンが進んで、Office Insider Slow(10/29現在、Insider Slow はさらにバージョンアップしました) と同じバージョンまで上がっています。

これに対して、Microsoft Store 版は、その一つ前のバージョンでストップしています。もちろん、この状態で何度更新をかけても、Ver.1910(12130.20184) にはなりません。なぜなら、まだ Microsoft Store 版向けには、このバージョンの提供が開始されていないからです。

【バージョンが異なる理由とは?】

これまでほぼ一緒のペースでパージョンが上がっていたのに、なぜ Microsoft Store 版のバージョンが一緒じゃなくなってきているのか?
もっともこれだけの理由ということではないようですが、確認したところ大きな理由の一つに、ロールバック(バージョンダウン)が可能かどうか?の違いがあるようです。
クイック実行版の場合には、仮にバージョンが上がって新機能が搭載されたりした場合、不具合が発生しても、コマンドを利用してロールバック(バージョンダウン)することが可能です。

一方、Microsoft Store 版の場合には、ロールバック(バージョンダウン)ができません。仮に削除して入れなおしても、Microsoft Store で提供されているのは、最新バージョンのみになります。

何か?不具合が確認されても、ユーザー側では何もできなくなってしまう… そうした事態を回避すべく、Microsoft Store 版の更新プログラム提供については、クイック実行版より、より慎重に行われいてるようです。

【他にもバージョンが異なるケースもある】

こうしたインストール方法の違いにより、変わることがありますが、インストール方法も一緒、更新チャンネルも一緒なのに、バージョンが異なるケースや、搭載されているはずの新しい機能が搭載されていない…そんなことも起こります。

これは、開発側で配信を制御して、一斉に提供するのではなく、一部のユーザーに配信して様子を見つつ、その後順次適用範囲を広げていくといった形で、時間をかけてその影響などを加味しつつ配信しているためです。最終的にはすべてのユーザーに提供されるものの…そんなこともあるんですね。なので、このバージョンからこういう新しい機能が使えるはずなのに、自分のExcelにはない…そんなことも発生します。

バージョンや機能が変わってくる例:
・Office 365 サブスクライバーか?非サブスクライバーか?
 例 サブスクライバー:Office 365 Solo、Office 365 ProPlus
   非サブスクライバー:Office Home & Business 2016/2019や単体製品など
・更新チャンネルによる違い
 法人向けの場合、月次チャンネル、半期チャンネル、半期チャンネル(対象指定)があります
 Insider 向けには、Office Insider、月次チャンネル(対象指定)

今回は同じバージョン、同じ月次チャンネルなのに異なるケースではありますが、月次チャンネルの場合、一部ユーザーに提供が開始されれば、ほどなくすべてのユーザーに提供が始まるはずなので、楽しみに待っていればいいんですが、Office Insider 版だったりすると、結構時間もかかることがあります。

自宅のPCでも、PCによってバージョンが異なったり、会社と自宅で異なったり、さらには同じ製品でもバージョンや更新内容が異なってくるっていうことがあるということは注意したいですね。

Windows 7 ESU と Windows 7 のサポート期限

様々なメディアでも取り上げられておりますので、Windows 7 のサポート期限が迫っている…ということはご存知かと思います。
具体的にいつ?というのまではわからなくても、来年にはサポートが終了する…その程度はわかっていらっしゃるでしょう。

そんな中、Windows 7 ESU について先日正式発表されました。
Windows 7 ESU って何? サポート期限が延長されるってどういうこと?
今回はそんな、Windows 7 ESU について取り上げてみました。

【Windows 7 のサポート期限】

冒頭にも書きましたが、Windows 7 のサポートの終了が近づいているということはご存知の方も多いと思います。メディアでも、Webサイトを見てもちょくちょく目にしますよね?
でも具体的に何日?ということまでご存じない方のために、まずは具体的なサポート期限についてご紹介します。

2020 年 1 月 14 日に、Windows 7 のサポートが終了

上記サイトにもあるように、 2009年10月22日 にリリースされた Windows 7。Microsoft ライフサイクル ポリシーにもありますが、2020年1月14日に延長サポートも終了し、アプリ自体のサポートが終了することになります。
ですので、一部を除くほとんどのユーザーにおいては、Windows 10 などの新しいOSへのシフトが要求されます。

もちろんサポート期限が過ぎたからと言って、動かないということではありません。セキュリティのリスクが高くなるという意味です。でもこのリスク馬鹿にできません。

他人事では済まされないセキュリティのリスク

上記サイトは、Windows XP の頃のものですが、OSが変われど状況は変わりません。むしろ世の中の状況はさらに厳しくなっています。セキュリティリスクについてはまた機会がある時に取り上げてみたいと思います。

悪いことをしようとしている人たちは、そうしたサポートの終了したセキュリティに脆弱性のある製品を使い続ける認識の甘いユーザーを狙っています。

【Windows 7 ESUとは?】

さてそんな中、法人向けに Microsoft から正式に発表された ”Windows 7 ESU”。”ESU” とは、”Extended Security Update” の略になります。

モダン デスクトップへの移行を支援

ちょうど、2018年9月8日のブログの中で、2020年1月14日以降も、法人向けには有償でのサポートが提供されることが発表されてはいました。
そしてさらに先日10月1日には、ボリュームライセンス契約をしていない企業であっても、2023年まで別途契約することでサポートを受け取れることが発表されました。
それが、”Windows 7 ESU” というものになります。

ただし実際のところ年を追うごとにサポートコストも上がることなどを考えると、運用する上での負担はかなりのものなので、あまり中小企業には向かないという報道もされているようです。

【一般ユーザーは移行が必須】

これらのシステムは、あくまでも法人向けのものであり、さらに法人であっても別途有償の契約が必要になるものなので、当然一般コンシューマー向けのものではありません。

一般のユーザーの方は、当然ながら、2020年1月14日の期限切れになる前に、Windows 10 への移行が必須になります。

Windows 7 をご利用の方が、Windows 10 だけ買ってきて Update するのでもいいんですが、すべてご自身でできるという方なら、OSを買ってきてリカバリして…. という方法もないわけでもありません。
ただし、Windows 7 の頃のPCとなると、PC の CPU や各パーツの性能、搭載メモリや、HDDの容量など、現在の安いPCと比べても見劣りするものの方がほとんどです。
OSの値段、入れ替えの手間、そしてPCのスペックなどを加味すると、PCの買い替え時ととらえた方がいいのかな?とも思われます。

Windows 7 から、Windows 10 に Update されている方の中にもご経験はあると思いますが、PCの動きは遅いし、頻繁にエラーになったり、ドライバがおかしくなったりと、古いPCには古いなりにメンテナンスしていく必要もあるので、手間もかかるものです。

<参照>

他人事では済まされないセキュリティのリスク
2020 年 1 月 14 日に、Windows 7 のサポートが終了
Microsoft ライフサイクル ポリシー
Helping customers shift to a modern desktop
モダン デスクトップへの移行を支援
Announcing Paid Windows 7 Extended Security Updates
Windows 7 のサポート終了と Office 365 ProPlus

新しい macOS Catalina

パソコンのツボ本館でもリリースと同時に取り上げさせていただきましたが、先日、新しい macOS に、Ver.10.15 Catalina が登場しました。

新 macOS Catalina 配信スタート!

うれしい新しい機能があるという一方では、これはひどいという声もちらほら聞こえる新しい macOS。

Apple でもさっそく、インストールからトラブルシューティングのためのサイトも用意されたようです。で、これがまた意外によく整理されているんですよね…ということでご紹介させていただきます。

前々から話もありましたが、macOS 10.14 Mojave まで動いていたアプリでも、今回の Catalina になってしまうと動かないものもあります。
それは、Mojave が 32 ビットアプリを動かせる最後の macOS であって、今回の、Catalina からは、32ビットアプリはサポートされず一切動作しなくなりました。64ビットアプリのみになります。アプリケーションフォルダを空けてみると、iPhoto も利用できなくなってました。

ちなみに Application を開くと….

となって利用できません。そして、

32 ビット App と macOS High Sierra 10.13.4 以降の互換性

詳しい情報をクリックすると、32ビットアプリの件についてのリンクが表示されます。

【Microsoft Office について】

ちなみに、本館でも取り上げましたが、Office 製品は、Office 2016 の途中までは全て32ビット版しかありませんでした。Mac向けの Office 製品は、2016/8/22 に配信されている Office 2016 以降は全て64ビット版になっていますので、それ以降のものをご利用であれば Catalina でも問題なく利用可能ですが、Office 2011 などをご利用だと利用できなくなってしまいます。

Office 2011 は年貢の納め時

これは、OSの仕様変更に伴うもので、どうにもなりませんので、新しいOffice 2019 などをお求めいただく必要が出てきます。
もっとも、Office 2011 は、サポート期限も切れているし、Mojave の時点でサポート対象外になっていますので、買い替えておくべきものであったことには変わりないのですが…..

これから、Catalina に Update をしようかな?とご検討されている方は、Update 前に現在ご利用いただいているアプリケーション環境などもしっかり確認されてからの方がよろしいかと思います。
一度 Update してしまうと元には戻れないですからね… リカバリして、アプリすべて入れ直しなんてことにならないように。

<参照>

Mac サポート記事更新のご案内
Office 2011 は年貢の納め時
新 macOS Catalina 配信スタート!
32 ビット App と macOS High Sierra 10.13.4 以降の互換性

Microsoft のサービスが正常に動作しているのか?を確認する

OneDrive や Office Online、Skype や Outlook.com など、Microsoft アカウントを利用して提供されているサービスはたくさんあります。

今朝もそうでしたが、MS アカウントにサインインしようとしても、サインイン画面が出てこない…そんな状況が数時間続いてましたが、他にも、OneDrive や Office Online に正常にアクセスできなかったり動作しないような場合には、一度それらのサービスが正しく動作しているのか? そのサービスの正常性を確認してみるといいかもしれません。

【2つのサービスの正常性ポータルサイト】

Microsoft Office Online サービスの状態を確認 するための、サービスの正常性を確認するためのポータルサイトには、2つあります。

  1. 一般ユーザー向け
  2. 法人向け

1) 一般ユーザー向け

一般ユーザー向けのものは、上記の画像にもあるように、

  • Outlook.com
  • OneDrive
  • Yammer.com
  • Microsoft To-Do
  • Skype
  • Office for the Web(Consumer)
  • Microsoft Whiteboard
  • Your Phone

といった Microsoft アカウントで使用可能な Microsoft の Online サービスの状態が確認できます。

上の拡大画像にもありますが、それぞれの項目の右側に、”現在の状態” が表示されています。 緑色のチェックマークがついてれば、その Online サービスは、現在正常に動作しているということになります。

サービスの正常性ポータルサイト

2) 法人向け

法人向けに提供されている Office 365 のユーザーには、管理者向けとして、Microsoft 365 管理者センターの、サービスの正常性のところで確認が可能です。
一般ユーザー向けのものに比べると項目も多岐にわたっています。

  • Exchange Online
  • Office 365 ポータル
  • SharePoint Online
  • Azure Information Protection
  • Flow in Microsoft 365
  • IDサービス
  • Microsoft Flow
  • Microsoft Forms
  • Microsoft Kaizala
  • Microsoft StaffHub
  • Microsoft Teams
  • Mobile Device Management for Office 365
  • Office Client Applications
  • Office for the web
  • Office  サブスクリプション
  • OneDrive for Business
  • Planner
  • PowerApps in Microsoft 365
  • Skype for Business
  • Yammer Enterprise

以上の20項目にわたっております。無料でも利用可能な一般向けとはサービスの内容も当然ながら異なります。

ブルーで、”!” がついているものは、現在何かしらトラブルが発生しているものです。この場合、その脇にある、”~アドバイザリ” クリックすると状況が確認できます。

サービスの正常性/Microsoft 365 管理者センター

Microsoft の Online サービスをご利用いただく上で、アカウントのサインインページが開けないとか、Office Online の動きがおかしい?といったようなことを感じた場合には、一度上記のサービスの状態を確認してみてください。

後はそれぞれのサービスの、修復がどの程度進むかにもよりますが、多少時間を空けて再度サービスにアクセスしてご利用になってみてください。

<参照>

最近の Outlook.com の問題に関する修正プログラムと解決策
Office 365 サービスの正常性をチェックする方法
サービスの正常性ポータルサイト
サービスの正常性/Microsoft 365 管理者センター